Live配信に使う「スイッチャー」で映像にリアルタイム画像合成してみよう!
こんにちは。
アド広研 映像技術部です。
今回の記事では、ライブ配信を行う際に使う機材「スイッチャー」に搭載されている機能を使ったリアルタイム画像合成をご紹介したいと思います。
今回紹介する機能の本来の使い方は、ライブ配信時に、配信画面にテロップやロゴなどを表示する機能です。この機能を使えば、ライブ配信だけではなく広い会場で前方スクリーンに中継表示する際などでも、画面に文字や画像を簡単に合成することができます。
使用するスイッチャーはRoland「V-1hd+」です。直感的な操作ができて使いやすく、ボタンの配置などもわかりやすくなっています。HDMIを4系統入力でき、配信用とプレビュー用の2系統にHDMI出力が可能なコンパクトビデオスイッチャーです。本体のストレージに4枚の画像ファイル(形式:png、bmp)を保存することができ、そのファイルを合成することでリアルタイム画像合成が可能になります。
360°VRホラーアトラクション「おうちに行こう」でリアルタイム画像合成
姫路セントラルパーク内にある4Dシアターにて開催している360°VRホラーアトラクション「おうちに行こう」でもリアルタイム合成を会場演出に使用しています。もうご覧になられた方もいらっしゃるかもしれません。
こちらのアトラクション会場内のスクリーンに投影している映像にリアルタイム合成を仕込んでいます。では、まず投影の様子を御覧ください。
会場内の様子は上の写真の通りです。これはスクリーンに投影されている会場内の様子を撮影したもので、12席の座席が4列で、計48席というキャパシティの映画館のようなスペースになっています。現在は新型コロナウイルス感染拡大防止対策として、1席ずつ空けて使用していますので1列あたり6名様までのご案内となっています。
会場内のセキュリティ強化策の一環として、ビデオカメラでの撮影および前方スクリーンへの投影を行っていましたが、もう少し演出を加えたいという映像技術部の遊び心でリアルタイム合成をやってみました。それがこちらです。
おわかりいただけたでしょうか?
通路の部分に「赤い服の女性」を合成してみました。
赤い服の女性はどこにもいない!?
これは会場内を撮影しているカメラの映像にリアルタイム合成されて投影されている状態になっています。なので、お客様が座席に座っている状態であれば、『自分が映し出されている「今」の空間に、いるはずのない「赤い服の女性」が映し出されている状態』になります。画面に映っているからといって横を見ても、赤い服の女性はどこにもいない状態が作り出されるわけです。
仕組みは単純で、カメラとスイッチャー、そしてプロジェクターを繋いで投影している映像に、前述のRoland「V-1hd+」本体に保存された「赤い服の女性」の画像をリアルタイムで合成しているだけです。ボタン1つで自由自在に「赤い服の女性」を表示したり、消したりすることが可能なお手軽演出になります。
それでは、実際に「赤い服の女性」に気がついた方の反応を御覧ください。
実際のアトラクションでは、お客様の入場時は消えていて、VR体験後には「赤い服の女性」が現れていたり、最初から現れていたり、現れない日があったり。気まぐれに出現しているようです。
360°VRホラーアトラクション「おうちに行こう」は8月30日(月)まで、姫路セントラルパークにて開催されています。これから「おうちに行こう」を体験される方は、ぜひ「赤い服の女性」を探してみてください。
まとめ
- ビデオスイッチャーRoland「V-1hd+」で簡単に画像合成ができる
- 画像合成はLive配信だけでなくリアルタイムの投影映像にもできる
- 「おうちに行こう」の会場内には、目には見えないけど画面に映し出される赤い服の女性が現れる
ビデオスイッチャーをLive配信以外で使用したいと考えている方のお役に立てれば幸いです。
こちらでは機能の紹介だけをしましたが、実際にチャレンジしてみたい方、やり方がわからない方はお気軽にお問い合わせいただければと思います。
ここまで読んでくださりありがとうございました。
アド広研 映像技術部