グラフィック

「考える」ということ

#コンセプト#ストーリー#ポイントを伝える#美しいデザイン

 
デザイン部に所属して約10ヶ月。
どんなベテランでも必ず経験する「新人時代」には、その時期ならではの目線や感覚があり、共通項はあっても、人それぞれ千差万別のとても面白いものだと思います。

 
この記事では、そんな私が「今」感じていることや、思っていることを書いてみたいと思います。気軽に楽しんで読んでいただければ、そしてもしも「どこかの」「誰かの」「何か」になることがあれば幸いです。

 

 
私はいま「なぜ?」→「考える」→「発見!」を繰り返していることが多いように思います。実際に作業し、手を動かすことで気付くこともあれば、調べることで気付くこと、全く関係のないことからハッと気付くこともあります。

 
なぜ? という問いに対する「一般的にこうである」という答えは、いつも、どうもしっくりこず、そのときに、「なぜ一般的にそうなのか」を考えることで見つけた発見には、それが小さなものでも、とても大きな感動があります。

 
また、「考える」の中でも、そのものの「背景を考える」ことからは、大きな刺激を受けます。例えば、普段、当たり前のように目にする「文字」ひとつとっても、書体には、それぞれに積み重ねた歴史があり、それらに触れることで、見えてくるものがあります。

 

Garamond(ガラモン)


16世紀にフランス人の活字鋳造業者、クロード・ギャラモン (Claude Garamond) が製造した活字がオールド・ローマンの代名詞のようにいわれたため、各地の活字鋳造所で「Garamond」と名付けられた活字が制作された。

 
Garamondは大まかに分けてクロード・ギャラモンの活字を基にしたものと、ジャン・ジャノン(Jean Jannon)の活字を基にしたものとがある。これはジャノンがギャラモンを模倣して作った活字を、19世紀前半にフランス国立印刷局がGaramondとして復刻したことに由来する。

 
出典:「Garamond」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』。(https://ja.wikipedia.org/wiki/Garamond)

Bodoni (ボドニ)


イタリアの印刷工、ジャンバッティスタ・ボドニ (Giambattista Bodoni, 1740-1813) によってデザインされたセリフ体の欧文書体。画の太さを均一に保つなど、幾何学的に構成されており、カリグラフィ的要素を排除しているのが特徴。広告デザインなどに人気が高い書体の一つ。

 
出典:「Bodoni」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』。(https://ja.wikipedia.org/wiki/Bodoni)

Times New Roman (タイムズニューロマン)


1932年にイギリスのタイムズ紙が新聞用書体として開発した、ラテン文字のセリフ体書体。

 
出典:「Times New Roman」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』。(URL: https://ja.wikipedia.org/wiki/Times_New_Roman)

Futura(フーツラ)


1923年にドイツのバウハウスにおいて非常勤講師として勤めたパウル・レナー (Paul Renner、1878年 – 1956年) によって発表されたラテン文字のサンセリフ体書体。futuraとはラテン語で「未来」(英語の “future” に相当)の意。

 
出典:「Futura」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』。(https://ja.wikipedia.org/wiki/Futura)

Helvetica(ヘルベチカ)


1957年にスイス人書体デザイナーのマックス・ミーディンガー(英語版) (Max Miedinger) とエドゥアルト・ホフマン (Eduard Hoffmann) が発表したサンセリフの欧文書体。ハース鋳造所(英語版)(ドイツ語: Haasʼsche Schriftgiesserei)の手組み用活字として発表された。

 
当時の名称は「ノイエ・ハース・グロテスク」(Neue Haas Grotesk) というもので、これは「ハースの新しいグロテスク(サンセリフ)」という意味であった。日本では原弘の希望で1964年の東京オリンピックを機に導入され、亀倉雄策の大会ポスターが初の利用事例ともいわれる。

 
出典:「Helvetica」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』。(https://ja.wikipedia.org/wiki/Helvetica)

これらはもちろん、ほんの一部で、さらに、引用表記の煩雑さを避けるため、出典をWikipediaに統一してかなり簡潔に記載しましたが、ひとつひとつの背景は奥深く、そこには、さまざまな発見があります。

 
また、「光朝」という明朝体フォントは、あの日本を代表するグラフィックデザイナーの「田中一光」氏が、「Bodoni」に合う「日本語書体」が欲しい!として作られたものであるなど、ひとつの背景からさらに広がっていくことで、違う景色が見えてくることもあります。

最後に

 

 
「むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく、おもしろいことをまじめに、まじめなことをゆかいに、そしてゆかいなことはあくまでゆかいに」

 
作家・井上ひさしの言葉ですが、「考える」ということをテーマにしようと決めたとき、この言葉がフッと思い浮かび、実は何の脈略もなく冒頭に記載していたものを、せっかくなのでここに記載しました。(笑)

 
まだ始まったばかりの大航海で、目の前には、大海原が広がっていますが、色んな出会いや発見を繰り返しながら、見える世界を広げて行きたいと思っています。

 

アド広研 デザイン部